
ソウルの人々が 近現代を通して共に作り上げて来た共通の記憶であり、また 100年後の宝物ともなる「未来遺産」。
このシリーズでは、未来遺産として選定された有形・無形の数ある物の中から「食堂」「飲食店」をご紹介しています!
今回は、鍾路区の2回目。前回よりも北側のエリアで、景福宮周辺~大学路になります。
こちらには4店ありましたが、今までとちょっと違う感じの店たち?!
今回も、店名のすぐ下の年代は 開業年代/未来遺産選定年。続けて 選定理由(保存の必要性)と補足説明を書きました。
それでは、どうぞ!
元祖ハルモニ 油トッポッキ(ウォンジョ ハルモニ キルムトッポッキ)
▶1956年/2014年
▶開業から現在まで、通仁洞で3代続くキルムトッポッキ専門店です。当初は 紫霞門路(ジャハムンロ)の道端に屋台を出してスタートしました。庶民の食文化をよく見せてくれる物として、保存の価値が高いです。
キルムトッポッキ 1人分。量は少なめ…^^;
(2,3枚目写真引用 Instagram)
「醬油トッポッキ」もあります。同じく炒めた物ですが、赤いのだけ「 キルム(油)トッポッキ」というんですね。
市場内の近くにもう1軒 キルムトッポッキ屋があります。ですが、未来遺産に選定された店はこちら!
▶住所
ソウル特別市 鍾路区 通仁洞 94 通仁市場内
(鍾路区 紫霞門路15ギㇽ 13)
▶電話番号 02-725-4870
▶営業時間
8:00~20:00
第3日曜休み
旧正月&秋夕は 不定期に休みを取る
※注 店名・道路名住所・定休日など 地図を開いて出て来る情報と異なる点がありますが、ここでは一応韓国のサイトを参考にしています。
▶メニュー例
キルムトッポッキ 3000
醬油トッポッキ 3000
オデン(練り物) 1000
チヂミセット 11000
代表メニューは キルムトッポッキです。餅を、醬油と唐辛子の粉をよく混ぜて1日熟成させた薬味調味料で和えてから、大釜のフタのような鉄鍋で、油で炒めて作ります。
普通のトッポッキと違い 冷めても固くならないのが特徴で、好みによって、温かい物か冷めた物を選んで食べることが出来ます。実は使っている餅は キルムトッポッキに合うよう特別に作られた物で、近くの餅屋から仕入れているんです。
各種テレビで紹介される前からも 評判が口コミによって広がり、たくさんのリピーターがいました。現在は1日平均約 40~60kg、週末には 240~260kgの餅を準備し、売り切れ次第 店を閉めています。
ソウルで2番目に美味しい店(ソウレソ トゥボンチェロ チャラヌンジッ)
▶1976年/2014年
▶開業から現在まで営業を続けている伝統茶屋で、独自の味の小豆粥(おしるこ)と伝統健康茶を大衆化させました。
↓おしるこのお椀は蓋をかぶせて提供されますし、シナモンの粉が掛かっているのも珍しい。上の器の白いのは シッケ(식혜)ですね。
(写真引用 MANGOPLATE)
十全大補湯。身体が喜びそうな韓方茶!
店の看板に「1976・4・19~」と 開業した日付が
▶住所
ソウル特別市 鍾路区 三清洞 28-21
(鍾路区 三清路 122-1)
▶電話番号 02-734-5302
▶営業時間
11:00~21:00
月曜・1月1日・旧正月&秋夕当日と前日休み
▶メニュー例
おしるこ 7000
十全大補湯 7000
シッケ(米ジュース) 5000
代表メニューである 十全大補湯は、当帰・桂皮・甘草など7種類の材料を煎じた薬(双和湯)に、更に 朝鮮人参など3種類を加えて作った伝統茶です。
もう一つの代表メニューの 小豆粥(おしるこ)は、細かく挽いた小豆の粉を煮た物に、茹でた栗とぎんなん、あずき、もち米の餅をあしらって提供され、甘い味とよく合う 桂皮の顆粒(シナモン粉)を振りかけることで、より深い風味を感じることが出来ます。また 鹿角大補湯も人気メニュー。
伝統茶の材料は、京東市場で購入した韓薬の材料であり、韓方の医者から直接習得した技術をもって、店の奥にある製造室で作られています。
店内の椅子、テーブル、器などのインテリアは、開業当時から変わっていません。各種メディアでよく紹介される為、最近は外国人観光客が多く訪れるようになりました。
リムスチキン(Lims Chiken)
▶1977年/2017年
▶韓国で最初のフランチャイズチキン店であり、開業から現在まで続けて運営されている食堂です。
(写真引用 MANGOPLATE)
トッポッキの餅やオデン(練り物)も入っている キムチチョル麺(김치쫄면)。チキンと一緒に注文する人が多いようです。
(画像引用 Google地図ストリートビュー)
▶住所
ソウル特別市 鍾路区 恵化洞 167-3
(鍾路区 大学路 143)
※ソウル市内に10店舗、地方にも多数 支店有り
▶電話番号 02-745-3950
▶営業時間
月~土 14:00~26:00(翌日午前2:00)
日 12:30~26:00(翌日午前2:00)
▶メニュー例
リムス オリジナルチキン 15000
リムス ヤンニョム(味付)チキン 16000
半半チキン(2種類) 17000
この店に関しては、未来遺産のホームページにも 選定理由以外書かれておらず、情報はここまでとなりますm(_ _)m
でも、今のようにどこに行ってもチキンのチェーン店があり、CM競争も盛んになる全然以前から、韓国にこんなチェーン店があったとは意外でした。(すでに40年!しかも今も全国に支店がいっぱいです)
進雅春(チナチュン)
▶1925年/2013年
▶華僑であった創業者が開業し、現在まで3代に渡って継がれている 由緒ある中華料理店。庶民の飲食文化をよく見せてくれる大衆食堂でもあります。店名は “春のように華やかに花咲く庭園” という意味を込めて付けられたといいます。
(写真引用 Instagram)
▶住所
ソウル特別市 鍾路区 明倫4街 66-2
(鍾路区 大明1ギㇽ 18)
▶電話番号 02-765-5688
▶営業時間
11:30~21:00
日曜・旧正月・秋夕連休休み
▶メニュー例
ジャージャー麺 5500
ジャージャー炒め飯 8000
チャンポン 6500
海鮮チャンポン 8500
単品料理各種 18000~
代表メニューである 海鮮チャンポン(写真は無し)は、味付けは辛くないですがピリリとした白いスープに、白菜・カボチャ・玉ねぎ・人参・エリンギなどの野菜と、貝柱・イカ・海老・ナマコなどの新鮮な国内産海産物が ふんだんに入って出て来るのが特徴です。
このチャンポンには 唐辛子油でなく、干した唐辛子を入れるので、刺激的とまではいかないピリピリ感が出るのだそうです。
訪れる客の大部分は昔ながらの常連さんで、1日の平均客数は 約350人です。
~いかがでしょうか。
それぞれ個性的な4店でしたね。
今回までで 中区&鍾路区、グルメ通りも含めてちょうど30ヶ所のご紹介となりました。飲食店の未来遺産は、この2つの区だけでソウル市全体の半分ありましたよ^^
このシリーズ せっかくやり始めましたし、少しでもソウルのことを知れるので、この後はもしかしたらペースが落ちるかもしれないですけど、一応最後までまとめてみたいと思っています。
気になるお店があったら、是非足を運ばれてみて下さいね!
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